アルマイトとは?
アルマイトとは、アルミニウムへ酸化皮膜を人工的に作る処理のことです。
10円玉(銅)と1円玉(アルミニウム)を比較すると、10円玉の方が腐食が進み、色が変色していると思います。では、なぜ腐食の進んだ1円玉は少ないのでしょうか。実は、アルミニウムは空気と結びつきやすく、薄い酸化皮膜を作ります。この自然にできる酸化皮膜がある為、一般的にサビにくいイメージがあります。
しかし、自然にできる酸化皮膜は白っぽく皮膜が薄い為に傷がついたり、環境によっては腐食が進行します。そこで必要となるのが、人工的に分厚い無色の酸化皮膜を生成するアルマイト処理です。
アルマイト前とアルマイト後のビフォーアフターはこちら!
アルマイトのメカニズム
先ずは基礎知識を説明します!
アルマイトしたい製品を治具に取り付けます。
治具を陽極(プラス)に繋ぎ、電解液中に電流を流します。
アルマイト皮膜が生成されます。
続いてアルマイトのメリットを紹介します。
アルマイトのメリット
1.装飾性の向上
2.耐摩耗性の向上
3.耐食性の向上
4.電気絶縁性
5.放熱性の向上
アルマイト前処理、後処理により、様々な効果を発揮します。
6.半永久的の抗菌・抗ウイルス
7.反射率の向上・電解研磨
8.低反射性
9.塗装時などの密着度向上
それでは、アルマイトの工程についてご説明いたします。
アルマイト 工程
ところでアルマイトをすると、どうして色がつけれるのか気になりませんか?少しだけ説明をさせてください^^
カラーアルマイトとは
アルマイト皮膜を色々なものに例えながら説明をしてみます。
カラーアルマイトは塗装ではなく、布を染めるようにアルミへ染色します。アルマイト直後の皮膜は電位を持ち、電気的化学的に活性な状態で人に例えると、静電気を帯びていて、ホコリや汚れが服に付着しやすい状態とイメージしてください。
人工的に分厚くしたアルマイト皮膜には1㎠辺り数百億個の「孔」ができていて、そこに電位の力を利用して染色します。下の図は、孔に染料を浸透させたイメージ図です。
電位を帯びたままでは、汚れがついてしまったり、色が落ちてしまうので電気的化学的に非活性にします。この工程を封孔と言います。
以上がカラーアルマイトについてです。続きまして、アルマイトとめっきの違いについてご説明をいたします。
アルマイトとめっきの違い
1.めっきは素地の金属と異なる金属が重なり合って表面を覆っています。それに対し、アルマイトは、アルミそのものにアルマイト皮膜が入り込んでいます。
2.陽極(プラス)か陰極(マイナス)のどちらで電解するかの違いがあります。アルマイトは製品を陽極で電解を行うのに対し、めっきは製品を陰極にし、めっきする金属を陽極にして電流を流します。その結果、陰極の製品にめっきがされます。
以上がアルマイトの簡単な説明です。
いかがでしたでしょうか。
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